一般小説系書き手が、カクヨムWeb小説コンテスト(「カクヨムコン」)に参加する意味ってあるの?  & 途中選考通過ラインについて

WEB小説エッセイ

今まで(第5回から第9回)に中間選考で通過した小説は10作品

 僕がカクヨムに参加して以降、カクヨムWeb小説コンテスト(カクヨムコン)は第5回~と第9回の計5回を経験しています。

 初めて参加した第5回は、参加した短編2編(通るとは思わず、単に読んでもらう機会が増えればと思っての応募でしたが)が両方中間選考(=読者選考)を通過しました。
 続く第6回には短編1篇と、連載中も割と好評をいただいたレトロフューチャーSF系連作掌編集の「メトロポリタン・ストーリーズ」が、長編部門のほうで中間選考を通過しています。

【完結】メトロポリタン・ストーリーズ 【SF掌編集】
https://kakuyomu.jp/works/1177354054890611611
巨大都市と無数の小さな街区の物語。全50話の掌編が作り出す世界。

「メトロポリタン~」はそもそも長編ではないし、SFが参加できる部門が「どんでん返し作品賞」という部門しかなかったため、ほとんど無理やりな応募でしたが、なぜか途中選考にも通ったということで、読者選考については比較的柔軟な判定が行われているようです。

 第7回は、SFの参加する余地は全くなくなったので、去年よりもさらに無理やりなキャラクター文芸ということにして「メトロポリタン~」と同一世界観の長編である「南方深部における、ゼロ・コーネル氏の仕事と冒険」を応募しましたが、こちらはやはり中間通過ならず。いただいていた★の数は50くらいはあったのですが、駄目でした。

 ただ、第3回ステキブンゲイ大賞にエントリーしたところ、こちらでは最終候補一歩手前の4次選考対象まで残ることができました。
 1次で落ちた作品は他でも駄目、というのが当てにならないことがよくわかりますね。

【完結】南方深部における、ゼロ・コーネル氏の仕事と冒険
https://kakuyomu.jp/works/16816452218749793957
彼の名はゼロ・コーネル。立ち向かうのは、世界を揺るがす陰謀

 長編は駄目でしたが、カクヨムコン7では、クリスマス短編として投稿した「しあわせになった犬のおはなし」がまた途中選考に通りました。

 2022年のカクヨムコン8でも同様に、「最後の後に、会いに来て」と「クリスマスデート、距離399キロメートル」の二本の短編が中間選考通過、2023年のカクヨムコン9では三本のSF短編が通過しています。最近はもう長編ではエントリーしていないので、短編ばかりですね。

やはりライトノベルのための賞

 かつては一般小説作品にもいくらかチャンスがある感じだったこのWeb小説コンテスト、最近でも一部の恋愛小説などでは堂々たる正統派エンタメ小説でも受賞・書籍化の実績が見受けられますが、やはりWeb小説の新人賞ということで、今はほぼライトノベルのための賞だと思って間違いなさそうです。

 受賞している作品も、いかにも今人気な感じのファンタジーものがほとんどを占めています(第6回では、恋愛部門もファンタジー作品が受賞し、「どんでん返し」はそもそも受賞作なしでした。)

それでも参加する価値がある、と言い切れる理由

 したがって、本気で賞を取ろうとするなら、カクヨムコンはもはや一般小説系の書き手にとってはあまり意味のないものになりつつあります。

 しかし、やはり参加作品は読者の目に触れるチャンスも自然と多くなり(★がいくらかいただければ、一時的にでも週間ランキングの上位に入ることは充分可能です。僕もジャンル別では何度も1桁台まで入ってます)、一人でも多くの人に読んでもらうことを考えれば、参加する価値は充分あると言えます。ぜひ参加すべきである、と断言してもいいレベルです。
 カクヨムコンのおかげで読者を増やした人を、自分自身も含めて何人も見ています。

 どうせ、軒下を借りての屋台みたいなものですから、せっかくのお祭りに参加して、ちょっとでもお客さんに足を止めてもらう、これは巨大サイトに間借りすることの最大のメリットとさえ言えるのではないでしょうか。

途中選考(読者選考)通過の基準とは(参考までに)

 カクヨムコンの途中選考は、1次に当たる読者選考だけで、参加した全作品のおおよそ1割が通過しているようです。
 2次がないので、ここで通過すると一応「最終選考候補」と言っても嘘ではなく、実際実績にそう書いておられる方も以前は見られました。

 で、その読者選考通過の水準ですが、これが意外と高くはなく、僕の場合はいずれの作品も★30~60前後で通過しています。★4桁とか、見上げるようなすごい実績は必要とはされていないようです。

 この点で、★3桁に届くのも難しい、一般小説系書き手にも、途中選考の通過までなら十分チャンスがあると言えると思います(裏を返すと、★がつかない作品の数もかなり多いという現実があるわけですが。近年特に、一部の作品に人気が集中する傾向が強まってる印象もあります)。

 公募でなかなか1次に通らない、と悩んでいる人には、途中選考通過の実績はちょっとした救いになるのではないかと思います。
 繰り返しになりますが、ぜひとも参加だけはしてみましょう。

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