一般文芸中心の小説投稿サイト、「ステキブンゲイ」を利用してみて思ったこと(1)

WEB小説エッセイ
居心地のいいカフェ的な、品の良い感がある
    居心地のいいカフェ的な、品の良い感じはあるが

開設されてすぐに参加した「ステキブンゲイ」、その初期は

 というわけで、前回までは「Web小説=ラノベ、それも異世界ファンタジーとラブコメを掛け合わせたような作品を主流とするジャンル」とほぼ断言するようなことを書いてきました。
実際、「なろう」「カクヨム」と言った大手サイトで人気の作品は、この定義に当てはまるものがほとんど全てと言ってもよいと思います。
「カクヨム」は当初「なろう」との差別化をはかろうとした感じもあったようですが、実際には難しかったみたいです。
(それでも「カクヨム文芸部」などと銘打って作品を募集したりもしているので、中の人も完全に一般文芸系を諦めてしまったわけではないみたいですが。)

その状況の中、約二年前に登場したのが、一般文芸特化サイトとして登場した「ステキブンゲイ」で、既存のサイトに不満があった人々の間で、結構話題になりました。
 僕もその存在を知ってすかさずアカウントを作り、「カクヨム」に上げていなかったような作品をいくつも投稿しました。

残暑の入江、本当の午後」とか「カバのバス、キツネとタヌキの女学生」のような、ほぼ純文学のつもりで書いた掌編なども上げてみました(「残暑の入江」は後日カクヨムにも上げて、想定外の好評をいただいたりもしましたが)。
 それだけ期待が大きかったのです。「メトロポリタン・ストーリーズ」の連載中で、「カクヨム」の、★をもらわないとどうにもならないシステムにも疲れていた時期でもありました。

機能がシンプルなのは素晴らしいが、作品にたどり着いてもらうのが難しい

 創設期の「ステキブンゲイ」は、「小説を投稿する」という機能以外、ほとんど何の機能もありませんでした。コメントさえ付けられなかったくらいです。
 他サイトのような読者評価によるランキングはありませんでしたが、読者数などから独自に算定したという人気ランキングがトップページに表示されていて、こちらから読みに来てもらうというのが主流だったと思います。

 新規投稿作品はトップページに表示されますし、投稿数の少なかった時期はそこから読みに来てもらえたりもしたのですが、投稿数が増えてくればこれは難しくなります。

 あと、創設期の頃は毎日のように「ピックアップ・ブンゲイ」として運営さんが作品を紹介してくれていたし、幸い僕の作品はかなりの確率で取り上げられていたので、ここから読みに来てもらえることもありました。
 
 運営さんのツイッターアカウントで、毎日1作品を取り上げて紹介して下さっていた時期もあって、ここにも取り上げてもらえたので、これも嬉しかったものです。
 

SNSアカウントでの宣伝がかなり有効

 実は、一番有効なのは、ツイッターなどのSNSアカウントで宣伝することで、それなりのフォロワー様がいるアカウントを持っていれば、そこから読みに来てくださる方がおられます。
 しかしそうなると、元々SNSでの交流を前提としている、星空文庫辺りとの差がなくなってきた感じもしなくもありません。

 現在では、作品ごとの日別のPV数やユニーク読者数なども表示できる機能も実装されて、自作がどの程度読まれているのも分かりやすくなりました。
 一時は全作品で月に合計1PVという悲惨な時期もありましたが、なぜかその後PVが急増し(といっても今のところ月に三桁台くらいまでですが)、それが何かシステム的なものなのか、自作の人気が急に上がったのかは不明です。

 というわけで、今回はここまで。次回は、実際に「ステキブンゲイ」に投稿されている作品の傾向と、これを語らないわけには行かないだろう「ステキブンゲイ大賞」について触れたいと思います。

一般文芸中心の小説投稿サイト、「ステキブンゲイ」って実際どうなの?(2)~ステキブンゲイ大賞について~

本屋さんにあるような小説が無料で読める、ネット小説(Web小説)という世界があるのです、実は ――今さらながらの基本解説

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